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これまでに培ってきた社内風土を生かしながら、育業(育休)を取得しやすい環境を整備。

お話を伺った人

経営者・人事側

株式会社JVCケンウッド・エンジニアリング

代表取締役 社長

阿部重徳さん

従業員

株式会社JVCケンウッド・エンジニアリング

技術統括部

KTさん

株式会社JVCケンウッドのグループ会社である株式会社JVCケンウッド・エンジニアリングは、カーナビゲ-ションや業務用システム機器などのハ-ドウェア及びソフトウェアの開発設計の技術をグループ各社に提供しています。およそ220名の従業員のうち9割が男性です。経営方針のひとつである「社員が自らの可能性を最大限に引き出せる仕組み作り、場作りをする」という言葉のもと、働きやすい職場づくりに力を入れている同社。そのなかでも今回は、男性従業員の育業(育休)についてお二人に話を伺いました。

ポイント

  • 1.「意向確認書」の掲示で、男性従業員からの育業(育休)申請が大幅に向上。
  • 2.育業(育休)で人が抜けても補える体制や、休みやすい社内風土を醸成。
  • 3.従業員からの生の声を聞くために、月に1度、社長と従業員の代表が話し合える場を設ける。

経営者・管理職インタビュー

育児休業の「意向確認書」で会社の姿勢を表明。

 JVCケンウッド・エンジニアリングの2021年度における男性従業員の育児休業取得率は約38%と、取得率100%の女性と比べて低い数字だった。だが22年度からは飛躍的に向上し、7月の時点で100%となっている。
 そのきっかけとなったのが、「育児・介護休業法」の改正により、22年4月1日から義務化された育児休業取得に関する個別の周知・意向確認の措置(※)だ。JVCケンウッド・エンジニアリングでは、社内ポータルサイト上に育児休業取得の意向確認書を掲載。そこには社長からの「制度を活用して家庭と仕事の両立の充実を図ってほしい」というメッセージと、「男性の育児休業・出生児育児休業取得率15%以上、平均1か月以上。女性の育児休業取得率100%」という会社目標も明記した。以前より個人の働きやすさを重視した職場環境づくりに取り組んできた同社だが、意向確認書を通じて示した育児休業取得を推奨する姿勢が、男性従業員の背中を押したのだ。
「私の場合は時代的な背景もあり、育児休業の取得もしていませんし、妻に育児を任せてほとんど関われなかった反省があります。しかし今は社会を取り巻く環境が変わり、共働きする家庭や周りに育児を手伝える家族がいない従業員も増えています。そうした現代社会で、夫婦が一緒に育児をすることは非常に重要だと考えています」と、JVCケンウッド・エンジニアリング代表取締役社長の阿部重徳さんは話す。阿部さんのご子息も勤務する会社で育児休業を取得するなど積極的に育児をしており、その姿からも時代の変化を実感しているという。

※育児休業に関する制度を知らせたり、育児休業申し出に関わる労働者の意向を確認したりするために行う措置のこと。


代表取締役 社長 阿部重徳さん

子育てしながらでも働きやすい環境づくり。

 子育てと仕事の両立をサポートする取り組みはほかにもある。たとえば⼈事異動の際は、3つある事業所のうち、より自宅に近いところの業務に携われるようにし、子どもの養育に⽀障がないように配慮している。
 加えて、JVCケンウッドグループ全体で行っているものもある。現行の法律では、育業(育休)の取得期間は原則として子が満1歳になる日まで(最長2歳まで)とされているが、保育施設の入居の可否にかかわらず2歳到達月の末日まで取得可能に。さらにこの10月より配偶者の出産時における出産休暇の日数を従来の3日から20日へと大幅に増やした。また、看護休暇、育児短時間勤務、育児時差勤務、時間外労働・深夜労働の制限、時間外労働免除における各制度の利用は、12歳到達後の3⽉末まで利⽤できる。利用期限を小学校就学前とする企業が多いなか、こちらも大幅に期間を延長している。
「育児時短勤務、育児時差勤務は、定時勤務の従業員が対象となりますが、技術者が多い当社ではフレックスタイム制を導入しているため、お子さんの状況に合わせて柔軟に時間管理することができます。また製品の設計・開発という当社の事業内容から必然的に出社がメインになる場合もありますが、リモートワークをうまく取り入れている方もいます」
 さまざまな取り組みがあったとしても、利用しやすい職場環境がなければ形だけのものになる。JVCケンウッド・エンジニアリングの場合は、基本的に社内チームで仕事をすることが多く、育児休業などで人が抜けてもほかのメンバーで補える体制ができているという。
「当社は有給取得率が高い会社でもあり、ほかの従業員が休むことに関して慣れていると思います。育児休業の際も事前にチーム内で調整したり、ほかから人材を補ったりすることが可能です。一人ひとりが培った技術力についても、少し休んだからといって失われるものではありません」と、阿部さんは技術者だった頃の自身と重ねながら説明をする。

働きやすい職場が、従業員の価値を上げることにつながる。

 今後、さらに男性従業員の育業(育休)を推進していくために、社内ポータルサイトをよりわかりやすい形で運営していきたいと話す阿部さん。すべては、従業員が働きやすい職場をつくるという目的につながっている。
「当社が事業として提供している技術⼒は、言い換えれば⼈材の価値そのものです。その意味で我々にとって生き生きと働ける職場づくりは、従業員⼀⼈ひとりの価値を継続して向上させていくうえで不可欠です。育児休業の制度づくりと併せて、より柔軟な働き⽅ができるよう制度を整えていきたいと考えています」
 制度だけでなく社内の雰囲気などを含め、働きやすい職場の風土が醸成されているJVCケンウッド・エンジニアリング。約2%と同業他社と比べても低い離職率がその証拠だろう。続けて阿部さんは、従業員とのコミュニケーションも大切であると説く。
「従業員が何を求めているのか、⽇常のコミュニケーションを深めて対応していくことが重要だと考えています。そのために⽉に1度、従業員の代表との意⾒交換の場を設け、経営上の課題や職場の悩みも含めて情報を共有しています。それでもまだまだ⼗分とは⾔えませんが、これからも従業員の⽣の声を取り⼊れながら制度設計をしていきたいと思っています」


従業員インタビュー

独身時代から育児休業を希望。

 第一子誕生に合わせて約2か月の育児休業を取得したJVCケンウッド・エンジニアリングの技術統括部で勤務するKTさんは、独身時代から育児休業取得への意識があった。
「入社して1年ほど経った頃、会社の終礼で育児休業を取得した男性の先輩の存在を知りました。男性の育児休業が社会的にまだ浸透していないなか、この会社だったらできるんだと少し驚きました。そして自分も同じ立場になった際は取りたいと思ったんです」
 その後、実際に育児休業を取得することになったKさん。最初にしたことは必要書類の準備だった。まずは社内ポータルサイトを調べ、そこにあった案内に沿って担当部署のコーポレート部に直接話をしにいき、必要書類に関する情報をもらった。
「社内ポータルサイトに情報や連絡先が載ってあり助かりました。必要な書類関係の準備ができたあと、取得の4か月ほど前に育児休業取得の件を上司にメールで伝えました。本来は直接伝えるべきですが、コロナ禍でリモートワークが増えて面と向かって話す機会が減っていた時期だったためこの形を取りました。上司からは『おめでとうございます』という返信があり、その後は具体的に育児休業についての話を詰めていくことができました」


技術統括部 KTさん

安心して育児休業に入れる職場環境。

 Kさんは、東京都八王子市にある事業所でグループ各社から依頼されるカーナビの設計開発などに携わっている。現在は4名のチームで動いているが、育児休業に入る前は10名のチームにいたそうだ。
「チームのメンバーには、まだ子どもの出産予定日も確定していない早い段階で育児休業を取りたいという気持ちを伝えていました。そのときにお祝いの言葉をいただき、育児休業のことを肯定してもらえていたので、具体的に話が進み仕事の引き継ぎをする際も話がしやすかったです。おかげで自分が抜けても仕事が回るように業務をしっかり整理していくことができました」
 上司やチームメンバー、コーポレート部のサポートのおかげで育児休業の取得に関して不安に思うことはなかったKさんだが、取得後に元どおりに仕事に復帰できるかという点については少し気がかりだった。しかし、それも杞憂だった。
「復帰直後から『久しぶり』と気さくに話しかけていただいたり、仕事の状況をていねいに説明してくださったりと、先輩や同僚から優しく接してもらえたので、困ったことはまったくありませんでした」
 抱えていた不安とは反対に、子どもの話で盛り上がるなど、今までになかったコミュニケーションのチャンネルが増えるうれしい結果に。現在も子どもに関連した事柄で休みを取らざるを得ない時や、仕事に遅れてしまう時でも相談しやすい環境にあるという。

育児休業は未来の自分のためのもの。

 育児休業中に経験した育児についてはどうだったのだろうか。
「取得前から、育児について人から話を聞いたり、インターネットの情報などで調べたりしていたものの、実際に経験してその大変さを痛感しました」と、苦笑いするKさん。育児休業前と比べて大きく変化した生活のリズムに体がようやく慣れたのは、1か月が経ったころ。残りの1か月でできることをどんどん増やしていき子育てへの自信をつけていった。今では、パートナーが用事で出かけても何の心配もなく、一人で子どもを見ていられると胸を張る。
「子どもの首がまだ座っていない生まれたばかりの時期から育児をしながら一緒に過ごせて、ほんとうによかったと感じています。育児休業で得た時間によって、家族としての絆がさらに深まりました。今後も育児は手伝うという感覚ではなく、自分も主体となり妻と二人で協力していくつもりです」
 また、Kさんは育児休業のことを「今後も仕事を続けるための必要な期間」とも捉えている。
「仕事と子育てを両立させるには、はじめに育児の経験を積んである程度慣れておくことが必要だと思っています。育児だけに向き合える育児休業は、そのための時間ともいえます。それがまったくなく、いきなり仕事と並行して育児をしなきゃいけない状況になったらどうでしょうか。それこそ大仕事です。私のように育児をしながら仕事をしていきたいと思う男性には、ぜひ未来の自分のためと思って育児休業を取得していただきたいです」


photographs by Hiroshi Takaoka
text by Ikumi Tsubone

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