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5年連続で「男性の育業(育児休業)取得100%」を達成。

男性育休事例 アフラック生命保険株式会社

お話を伺った人

※所属は、取材時点(2022/12)のものとなります。

経営者・人事側

アフラック生命保険株式会社

ダイバーシティ推進部長

山内浩子さん

アフラック生命保険株式会社

人財戦略第一部長

伊庭いば達也さん

従業員

アフラック生命保険株式会社

契約サービス統括部 契約サービス統括課

栗原康岳やすたけさん

「がんに苦しむ人々を経済的苦難から救いたい」という想いのもと、日本で初めてがん保険を提供する会社として1974年に創業したアフラック生命保険株式会社。およそ5000人いる従業員の男女比はほぼ半々。女性活用に積極的に取り組む一方で、経営トップの強い思いもあり男性育業(育児休業)の取得推進にも短期間で大きな成果を上げています。

ポイント

  • 1.男性育業(育児休業)取得の全社目標を設定し推進したことで、初年度から取得率100%を達成。
  • 2.「ダイバーシティ推進部」を設立し、その一環として男性育業の取得を推進。
  • 3.取得の推進(ダイバーシティ)と制度の整備(人事)の両面から対応。

経営者・管理職インタビュー

女性活躍推進の一環として男性の育業取得を推進。

 アフラックが、本格的に男性従業員の育児休業の取得推進に取り組み始めたのは2018年からだが、その成果は目覚ましいものがある。2016年の男性従業員の育児休業取得率は1.6%。当時は、「育児休業は女性が取るもの」と、女性も含めた多くの従業員が考えていた。しかし、そのわずか3年後の2019年には対象になる全社員の育児休業の100%取得を達成している。

 背景には、2014年から全社的に実施してきたダイバーシティ推進の取り組みがある、とダイバーシティ推進部長の山内浩子さんはいう。

「2024年の会社のあるべき姿を示した『Aflac VISION2024』では、『生きる』を創るリーディングカンパニーへの飛躍を掲げています。時代とともに変わっていく環境やお客さまのニーズに対応し、イノベーションを起こし、新しい価値を創造できる企業風土の醸成が必要です。経営トップには、そのためにすべての社員の多様性を尊重し、その能力を最大限に生かす環境を整えていく、という強い思いがあります。そこでダイバーシティ推進部を新設し、はじめに女性活躍推進への取り組みが始まりました。男性従業員の育児休業の取得はその一環です」

 まず取り組んだのは、「子どもが生まれた男性従業員は5日の育児休業をとってください」と、育児休業が男性でも取れることの周知から。今では考えられないほど基本的なことだが、当初は、特に管理職などから「なぜ、取得が必須なのか」という声が少なくなかった。それに対して、育児休業の目的を明確に、ていねいに説明していった。

「女性活躍の推進だけが目的なのではなく、育児に専念することで男性が得たさまざまな気づきが、イノベーション企業文化の醸成には大切であること。男女ともに活躍できる企業風土を育んでいくためには男女の役割分担のバイアスをなくすことが必要であること。この2点を伝えました」


ダイバーシティ推進部長 山内 浩子さん

 同時に、人財戦略第一部では制度面を整備。男性従業員が育児休業を取りやすいように育児休業期間中の一部を有給化するなどして、報酬面が育児休業取得のネックにならないよう工夫したり、里子や同性婚でも取得できるような環境整備をしている。「社内だけではなく、退職金関係など社外との調整も必要でした。なかなか労力のかかる仕事でしたが、『育児休業制度を整えることが、従業員、ひいては会社のためになる』という強い思いで取り組みました」と人財戦略第一部長の伊庭達也さんは語る。


人財戦略第一部長 伊庭いば達也さん

男性育業取得をきっかけに、上司・部下のコミュニケーションが深まる。

 さらに「育児休業の取得率100%」という数値目標を出し、より制度を整備。「男性も育児休業を取ろう」というトップのメッセージも折にふれ出してきた。子どもが生まれた男性従業員がいれば、ダイバーシティ推進部からすぐに対象従業員の上司と連絡を取り育児休業の取得に向けたサポートを欠かさなかった。こうしたことが実績となり、社内には「性別にかかわらず、子供が生まれたら育児休業の取得を考えるもの」という雰囲気が生まれていった。

 なかには「なかなか上司に言いにくい」という従業員もいたが、伊庭さんは「それでも上司に話をしてみては?」とアドバイスしている。

 「育児休業は権利だから取ります!と主張するのではなく、休業の日数や時期についての自分のプランや育児への思いを率直に話してみては、と話しました。話してみると、上司が理解を示してくれたり、ときにはよりよい提案をもらえることもあるそうです。おたがいにコミュニケーションが深まり、相手の新しい一面を知るきっかけにもなっています。従業員は、復職したらまたがんばろうと思いますし、それを見た周囲の従業員は一人ひとりの話を聞いてくれる会社だと感じてもらえる。人財エンゲージメントを高める効果もありました」

 育児休業を取った従業員からは、「育児は想像以上に大変だった」「育児休業を取得しないままでの仕事と育児の両立は難しいと思った」「復職後は想像以上に仕事に順応するのが大変で、産休から戻ってきた女性の気持ちがわかった」といった声が上がっている。いっぽう「いろいろな家庭があり、育児休業一つとっても答えは一つではないことを学んだ」と語る上司もいる。育児休業の目的が、しっかりと果たせている。

ゴールは、数値目標を掲げなくてもよくなること。

 2022年度、アフラックの男性従業員の育児休業取得日数は12〜13日。大半は5日程度の育児休業を取得するが、長期で取る従業員も少しずつ出てきている。

「ゴールは、数値目標自体がなくなり、育児休業を取りたい人が、それぞれのタイミングで、取りたい日数だけ取れるようになること。仕事が忙しい、戻ってきたときに大丈夫か、給与が減るのではないか、いろいろな不安が従業員にはあると思います。そうした声を聞きながら不安を取り除き、ゴールに向かっていきたいです」と山内さん。

 「2022年の育児・介護休業法の改正では、休業中の就業も労使双方の合意のもと認められるようなり、弊社も対応しています。人財戦略第一部としては、できるだけ制度をわかりやすく紹介し、それぞれの家庭の事情に合わせて仕事と暮らしがデザインできるようにサポートしていきます」と伊庭さんは締めくくった。


従業員インタビュー

思い切って半年間の育業を取得。

 契約サービス統括部契約サービス統括課の栗原康岳さんは、2020年7月から12月まで、半年間育児休業を取得した。子どもが生まれるとわかり、夫婦二人で出産後について話し合ううちに、「出産で心身ともに疲れているであろう妻のサポートもしたかったですし、なにより二人で子育てをしたい、共働きなので当然すべき」という思いが強くなっていった。

 では、どのタイミングで、どのくらいの育児休業日数を取ろうか。たまたま同じ部に8か月育児休業を取得した先輩がいたことが、長めに取ろうという気持ちを後押ししてくれた。しかし、不安もあった。

 「出産前は共働きだったので、正直なところ経済的な不安がいちばん大きかったです。また、育児休業中は仕事の評価の対象にはならないことはわかっていましたが、やはり復職後のことや、その後のキャリアについては少し心配でした」

 そんな不安を払拭するために、社内のイントラネットはもとより、厚生労働省や地方自治体のウェブサイトなどで育児休業制度について積極的に調べた。経済的には、半年間の休業ならば給与の67%が支給され、社会保険料が免除されることを知り、大丈夫だろうと判断。キャリアについても、長い社会人人生でみれば半年はあっという間。それよりも育児というなにものにも代えがたい経験をすることのほうを選んだ。

 育児休業について上司に相談したときは、「家族を大切にしたほうがいい」と快諾。栗原さんが抜けた後も「半年間だから、なんとかするよ」と力強い言葉をかけてもらった。


契約サービス統括部 契約サービス統括課 栗原康岳やすたけさん

育業取得の経験を次の人へ。

 そうして半年の育児休業を取った栗原さん。育児は想像以上に大変だったという。「妻の体や精神面の調子が戻るまでに1年くらいかかりました。そんななか、育児は24時間。最初は寝る時間もなくて、二人とも体力的にも精神的にも本当に大変でした」と振り返る。生後3か月くらいまでは、栗原さんが家事を多めに担当し、その後は半々くらいで、分担をしていった。

 「両親に育児休業を半年取ると言ったら、『そんなに取れるの?仕事大丈夫?クビになるんじゃない?』と驚いていましたし、少し心配しているようでしたが、振り返ってみて、取得してよかったと家族みんなで感じています」

 半年後、復帰したときは、チームのみんなが温かく迎えてくれたことが印象的だったと栗原さんはいう。「チームの中で小さい子どもがいる社員は僕だけなのですが、取得に対して理解してもらえました。事前にきちんと説明していたのもよかったと思います」

 栗原さんも奥さまも二人とも仕事に復帰した今も、家事はできるだけ半々で分担している。「例えば、朝食の用意は主に僕がやっています。保育園の送迎は曜日によって分けて夕方お迎えに行かなかったほうが、夕食とお風呂の準備をするというルールにしています」。

 アフラックでは、以前から多様な働き方の推進としてリモートワークを導入。コロナ禍で、さらにその環境が整い、今は主にリモートワークで働き、子育てに関わりやすくなっている。もし次にお子さんが生まれるとしたら? と聞くと「少なくても3か月、半年は育児休業を取得したいですね」と栗原さんは笑う。

 復職後は、会社が主催する育児休業から復職した人の声を聞く復職者セミナーに出ることもある。そうしたセミナーには、女性も男性も登壇するようになってきている。「女性は男性の、男性は女性の考えていることがわかって、参考になることも多いようです。また、セミナーの後に『自分も育児休業を取得しようと思っているんだけど』と声をかけられることもあります」。

 長期で育児休業を取った先輩がいたから、自分も取ろうと思えた栗原さん。そんな栗原さんの行動が、また後に続く後輩たちの背中を押している。そんないい循環がアフラックには生まれている。


photographs by Yusuke Abe
text by Reiko Hisashima

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