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事例14:株式会社ニューロマジック

若者ケアラーと見守る人、双方のための制度作りで「To Be Happy」を達成する

株式会社ニューロマジック

1.企業概要

設立年:1994年
所在地:東京都中央区築地6-16-1 築地616ビル3F
従業員数:130名(男女比 40:60 平均年齢 37 歳)
事業内容:サービスデザイン、ブランドデザイン、コミュニケーションデザイン、コミュニティデザイン、サステナブルトランスフォーメーション、各種クリエイティブ制作、トレーニング・レクチャー、ビジネスディベロップメント

2.取組の背景

当社は1994年創業の、デザインコンサルテイングと各種クリエイティブを提供する会社です。 「EXPERIENCE AGENCY」をスローガンに、DX・SX推進、サービスデザイン、WEBインテグレーションなどを駆使して、「ふさわしい体験の創造」をお手伝いしています。従業員は20代から40代が多く、すべての従業員が自分らしく業務に当たれるようにする事を目標としています。
そんな中、当社のDEIチームによって介護や育児など、それぞれが現在取り組むべき課題を持っていることが明らかになりました。双方にとって良い職場を目指すために、在宅フルリモート勤務やスーパーフレックス制度を積極的に導入し、全従業員が利用可能です。

当社は中途採用の従業員が多いために、これまで各人がどんな経験をしてきたのかを想像する事は非常に重要だと感じています。なぜなら、社内ではどんなことでも話しやすい雰囲気を醸成していると自負していますが、従業員各人がその背景故に相談しにくい、相談できないこともある事を理解しているからです。たとえば、以前の職場では介護休暇の申請をし辛かったという人や、育児の相談をしにくかったという経験を持つ人がいると想像できます。そこで、当社では匿名可能なオンライン相談所を「DEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)相談BOX」と名付け、設置しました。また2022年11月にはDEI担当の執行役員が就任し、DEIが経営目標の一つとして社内で規定されました。当社はバリューとして「To Be Happy」を掲げ、従業員こそが価値であると認識しています。すべての従業員が、自分のいる環境の中で仕事と育児、介護等を両立できるように支援したいと願っています。

3.取組内容

現在当社では、30歳未満の若い人も含めた全従業員が、子どもの育児、介護等で気兼ねなくお休みを取得できる社内の雰囲気を作り出す努力をしています。「誰しもお休みを取る必要がある時がある」ということを理解し、お休みをとりやすい文化を醸成しながら、チームメンバー間で工夫や配慮をしています。
当社では「DEI相談BOX」やDEI担当執行役員のオフィスアワーをいつでも使ってもらえるよう周知することで、DEI担当執行役員に自分の状況を直接伝えることが出来ます。職場環境や介護のための制度も含めた様々な悩みを相談することができるため、若者ケアラーを含めた皆が、社内外の様々な制度の申し込みや決定がされる前に気軽に相談をできる事が重要ではないかと考えています。DEI相談BOXを設けることで、介護や育児の問題、またはそれらの問題が発生する前に相談する事ができ、従業員が制度利用のための準備ができるようになると感じています。
DEIチームを中心に社内DEIの企画なども取り組んでいますが、それらが一般的で冗長な内容になっていないか、より実際的な研修にするように社内制度の見直しを現在行っています。また従業員にエンゲージメントサーベイを積極的に行い、チーム毎の従業員の気持ちを理解するように努めています。

若者ケアラーについては、会社に報告せずに自分の時間を使って上手に介護を行っていた従業員の経験を後になって耳にすることがあります。そのような「見えにくさ」をはっきりと知るために、よりヒアリングを行わないといけないと感じているところです。

4.これまでの効果と、今後の課題

当社の「DEI相談BOX」は執行役員に直接相談できるという長所はありましたが、相談後の施策のスピード化を重視してDEI推進チームを設立しました。その際には社内でチーム運営に関心のある社員を公募し、ともにチーム運営に当たるようにしました。当社では柔軟に従業員の支援を行うことの必要性を認識し、例えば子連れ出張の際の託児所費用の一部負担を承認するなど、随時柔軟に支援制度を拡充するようにしています。そうすることで、能力のある従業員をシームレスに採用する事ができます。このように、DEI推進チームが設立したことで、今までは気付くことの出来なかった重要なニーズが掘り起こされたと考えています。
こうしたニーズのヒアリングが行われる中で、従業員の中にはまだ介護休暇や育業の申請をためらってしまうという感情がある事も明らかになってきました。また、家庭の事情に合わせて柔軟な働き方を推進してきた結果、家庭での仕事が増えてしまったという新たな悩みも耳に入ることがあります。

当社は「To Be Happy」のバリューを積極的に発信しているため、「To Be Happy」に共感して入社してくれた人たちは、入社後にDEI推進を積極的に後押ししてくれる力となってくれています。しかし、若者ケアラーをはじめ、介護と仕事の両立、育児と仕事の両立のすべてが当社だけの努力で達成できるわけではなく、社会の変革が必要であることを日々実感しております。そんな中で私たち一企業としては、(1)すでにあるスーパーフレックス制度や休暇制度を、従業員が効果的に活用できるように社内文化を醸成し続けること。(2)従業員の抱える、育児等とは異なる介護特有のニーズを把握し、施策検討すること。これらの2点が今後も継続的に挑戦する課題だと考えております。
これからも当社ができることを積極的に行っていきたいと決意しています。

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