体験談5(Sさん)
【プロフィール】
- 性別・年齢:女性・40代
- 勤務先の事業内容: 放送業
- 従業員規模:201~300人
- 職務:映像情報管理
- 家族構成:配偶者なし
- 父(同居)
- 兄弟姉妹:姉(別居)
- 居住地:埼玉県
- 介護歴:2年半
【要介護者の状況】
- 性別・年齢:女性・70代
- 労働者本人との続柄:本人の母親
- 要介護度:要介護2、認知症
- 居住地:埼玉県
- 利用した介護サービス:デイサービス
父や親戚と協力しながら、在宅で認知症の母の介護を担う
1.介護の状況
母は5年以上前から同じことを繰り返し言うなど、今思えば認知症の兆しがあった気がしますが、本人が病院に行きたがらずそのままにしていました。
2年半程前に周りから診察を受けることを勧められ、病院に行ったところ、認知症という診断を受けました。その頃は要介護1でした。
2年程前に母が外出先から戻って来られず行方不明になり、またその3カ月後くらいから頻繁に家を出て行くようになってからは、母を1人にさせておくのが心配で、父か私が見ている状況です。
父は退職して家にいるため、平日は家事全般を担当しながら母を見てくれており、母は週に2回デイサービスに通っています。家ではお風呂に入りたがらないため、デイサービスで入っています。週末はできる範囲で私が家事をするようにしています。
平日帰宅後は母の横で食事を取っており、その間に父が入浴しています。母が外に出たそうな様子の時は、私が夜一緒に散歩をすることもあります。また、母の就寝の際は着替えや布団を敷く等を手伝っています。
何でもやってしまうと、母が何も出来なくなってしまうため、私が家事をする時は可能な範囲で、母には出来ることをお願いして一緒にやるようにしています。料理の手順は分からなくても野菜を切ることはできますし、洗濯物を干すこともできます。
2~3か月に1回、父と3人で母の受診のため、病院に行っています。
父も病気を患っており、数か月に1回入院することがあります。母を1人にはさせられないため、その時は有給休暇を利用し、私が父の代わりに母の面倒を見ています。
2.会社の勤務状況と両立支援制度の利用状況
有給休暇、半日単位の有給休暇(父の入院等の際に利用)
年次有給休暇の未消化分を介護休暇に積立できる制度があり、社内の介護相談員のアドバイスで利用しました。
3.仕事と介護を両立できた理由
会社全体としてそれほど残業がないことは、仕事と介護の両立をするうえでは有難いです。
漠然と、介護が始まったら退職しなければならないかと危惧していました。会社として仕事と介護の両立支援に取り組んでいることで、そういった不安を払拭できるとともに、安心感を持って働くことができます。
自分自身が介護で悩み始めた時期と、仕事と介護の両立に会社として取り組んでいく方針となった時期がちょうど重なっていたため、介護セミナーや相談会受講の機会があったことは、私にとってラッキーなことでした。
社内に介護相談員がおり、両立する上で困ったことや社内制度の利用方法についてアドバイスしてもらえるので有難いです。
以前から上司には母の状況を伝えていましたが、母の認知症を改めて認識した2年前に、上司が必要に応じて他の部門の部長層にも伝えてくれるなど配慮をしてくれました。休暇を取得しやすいよう配慮してもらえるなど、上司の理解があることは心強いです。
チームで行う業務であり、私が休んでも他のメンバーで対応することができるため、有難いです。
親戚が徒歩圏内に住んでおり、母が帰って来なかったときには一緒に探してくれる等、協力的であるため心強いです。また、姉も父の入院の際等私を心配し家に様子を見に来てくれます。
4.仕事と介護の両立の際の苦労
母の認知症については、理解しているつもりでしたが、母が行方不明になった時は、もう1人にはできない状況を再確認し辛かったです。
介護が理由とはいえ、仕事を休むことで職場の他のメンバーの負担が増える可能性があることは心苦しく思いますが、その分感謝を伝えるようにしています。
病気のこともあり、父の身体が心配です。父の負担を減らすには、自分がもう少し介護に関与したほうが良いと思っています。これまでケアマネジャーの対応等を父任せにしていましたが、今後は両立支援制度やサービスの利用について、社内は介護相談員、社外についてはケアマネジャーや地域包括支援センター等に相談しながら、働き方を考えたいと思います。
短時間勤務利用も検討していますが、その分給与が減額になるため、利用を迷うところです。
母は今のところ、まだそれほど重篤な状況ではなく、出来ることもあります。また、親戚も協力的であるため、できる限り自宅で母の介護をしたいと思っていますが、父の病気もあり、今後どうなるかの先が見えないことは非常に不安です。離職はしたくないため、両立支援制度や介護サービスを利用し、仕事と介護をうまく両立できる道を探したいと考えています。
5.介護者へのアドバイス
私の場合は、会社で事前の情報提供のガイドブック配布やセミナーがあったので良かったですが、そういったものが社内で実施されていない場合でも自身でセミナー等に積極的に参加し、情報収集すると良いと思います。
6.あると良かった制度やサービス
短時間勤務制度を利用しても、時間的にデイサービスの送迎が難しく、また法定の制度では利用期間に制限があります(※1)。介護は見通しが立たず、期限もないため、時間や期間について融通が利くと良いと思います。
時間単位の有給休暇もあると良いかもしれません。
父が入院している時は、私が有給休暇を取得し母の面倒を見ていますが、母がデイサービス通所で不在の際は仕事をすることができるため、在宅勤務制度があると良い気がしています。
※1 短時間勤務に関する措置(育児・介護休業法第23条)
平成28年12月31日までに介護休業を開始した場合は、対象家族1人につき、介護休業期間と合わせて、93日以内の期間で短時間勤務の措置を講じることとされていました。
平成29年1月1日からは、期間が緩和され、連続する3年間以上の期間、2回以上の利用ができる措置とすることとなりました。
育児・介護休業法の概要


