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介護に直面したら

STEP 2 直面したら

介護に直面したら

仕事と介護の両立を目指す

親の介護に直面した場合に最も重要なことは、自分一人で抱え込まないことです。休暇の取得や遅刻・早退の必要も出てくるでしょうから、まずは職場の上司に相談して、介護の状況等を伝えることが大切です。どうしても上司に相談しにくい場合は、社内の相談窓口(または人事担当者)を利用しましょう。
介護サービスや両立支援制度などを上手に活用することによって、仕事と介護を両立することは十分に可能ですので、退職を第一の選択肢と考えず、両立のための方策を探してみましょう。
実際に介護サービスを受けるためには、まずは介護が必要な人(=親)の居住地の「地域包括支援センター」に相談しましょう。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/#hid1

介護保険外の民間サービス

各区市町村や民間事業者が、介護を必要とする住民に対して各種の生活支援サービスを提供しています。利用できる対象者や利用料金(有償・無償)などは各区市町村によって異なりますので、詳しくは利用者(要介護者)がお住まいの自治体窓口にお問い合わせください。主な例は次のとおりです。

■見守り・安否確認

一人暮らしの高齢者や認知症の人の住まいを定期的に訪問し、安否・健康状態の確認や声掛けをするサービスです。乳飲料製品の宅配時に併せて行うサービスと提携している自治体もあります。突然の入院に備え、必要な情報を容器に入れて冷蔵庫に保管してもらう救急医療情報キットを配布する自治体もあります。

■配食サービス

日常生活に支障があって食事作りが困難な方に食事を宅配するサービスです。配達の際に声掛け・安否確認を併せて提供する場合もあります。一人暮らしの高齢者と一緒に食事を摂りながら話し相手となるサービスを行う自治体もあります。

■家事援助サービス

炊事・後片づけ、洗濯、掃除・身の周りの片づけ、買い物、ごみ出し、寝具の上げ下ろし、布団干し、庭の手入れなど、さまざまな家事の援助をするサービスです。サービス内容を特定せず、単位時間あたり一定額の料金でサービス員を派遣する場合もあります。

■緊急通報システム

一人暮らしの高齢者が自宅や外出中に、急病や事故などで緊急の手助けが必要となった場合に通報できる装置の貸与を行います。通報すると警備員が自宅や現場に行き、救助・介助を行ってくれます。

■徘徊位置情報確認システム

認知症で徘徊の心配のある高齢者に現在地を確認できる端末を事前に貸与しておき、行方が分からなくなったときに、家族からの依頼を受けて現在地を特定し、家族に知らせるサービスです。緊急対応員が現場に行き、高齢者を保護するサービスもあります。

■訪問理容・美容/布団丸洗い・乾燥・消毒サービス

外出が困難な高齢者のために自宅を訪問して理容・美容を行うサービスや、布団・毛布の丸洗い・乾燥・消毒を行うサービスなどもあります。自治体によって無料もしくは一部有料で、1年あたりの利用限度回数を設けていることが多いです。

経済的負担の軽減策

■介護保険の利用者負担の軽減制度

介護保険には、自己負担額が一定額を超えた場合や、所得や資産等が一定以下の方について、居住費・食費が負担限度額を超えた場合に、超えた分が給付される「高額介護サービス費」「高額医療・高額介護合算制度」「特定入所者介護サービス費」といった制度があります。詳細は厚生労働省のホームページをご覧ください。
https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/fee.html

■生計困難者等に対する負担軽減事業

区市町村によっては、所得が低く生計が困難な方の利用者負担額(サービス費の1割負担や食費負担など)の一部を助成し、サービスの利用を促進する事業を実施している場合があります。詳しくは利用者がお住まいの自治体窓口にお問い合わせください。
東京都における生計困難者等に対する負担軽減については、以下のホームページをご覧ください。

東京都福祉保健局HP
生計困難者等に対する負担軽減事業

■航空運賃の介護割引/介護ローン

介護が必要な家族(介護保険の要支援・要介護認定者)が遠距離の場合、航空券を割引購入できる制度があります(対象や割引額は航空会社により異なります)。また、金融機関が介護費用を資金使途とするローンを取り扱っており、公的介護保険で費用を賄いきれない場合に利用できます。
東京都でも、中小企業で働く方々を対象に介護支援融資を行っています。
詳細は以下のサイトでご確認ください。

TOKYOはたらくネット 東京都中小企業従業員生活資金融資
子育て・介護支援融資「すくすく・ささえ」

■認知症への対応

認知症とは、脳の病気によって記憶力・理解力・判断力などが大幅に低下し、生活面でも支障が出る状態をいいます。
徘徊やうつ状態、妄想などを伴うことも多く、介護の負担が肉体的にも精神的にも高まる傾向があります。自分で財産の管理や契約の締結を行うことが難しくなるため、成年後見制度を活用することも重要です。困ったことや心配なことがある時は、まずは「地域包括支援センター」に相談しましょう。
認知症も他の病気同様、早期診断・早期治療が大切です。初期段階から適切な治療を行うことで、症状の緩和や進行の抑制につながることもあります。身近な人が認知症かもしれないと感じた時には、早期に専門医に診てもらいましょう。
以下のサイトで、認知症に対応できる医療機関を検索することができます。

厚生労働省 医療情報ネット(ナビイ)

以下のサイトは東京都の認知症ポータルサイトです。有効にご活用ください。

とうきょう認知症ナビ

65歳未満で発症する若年性認知症の人は、働き盛りの年代であるために、医療や介護の問題だけでなく、就労の継続やご家族の経済的問題など、多岐にわたる課題を抱えることになります。
こうした多岐にわたる相談をワンストップで受け付ける窓口として、東京都では「若年性認知症総合支援センター」を設置しています。お気軽にご相談ください。

若年性認知症総合支援センター

(注)成年後見制度…認知症などのために判断能力が著しく低下した人は、財産の管理や契約の締結を自分で行うことが難しくなります。このような人を保護するのが成年後見制度です。家庭裁判所が親族または弁護士等の専門家を成年後見人に選任します。成年後見制度には法定後見制度のほか任意後見制度もあります。これは判断能力が不十分な状況になった時援助してくれる人を前もって指定し、援助してもらう内容も具体的に決めておく制度です。

池田 心豪
池田 心豪 監修
大正大学人間学部人間科学科教授。博士(経営学)(法政大学)。
専門は産業・労働社会学、労働政策、人的資源管理。介護と仕事の両立に関する論文や著書を多数発表。
主著『介護離職の構造――育児・介護休業法と両立支援ニーズ』(労働政策研究・研修機構、2023年)は労働研究の最高殊勲である労働関係図書優秀賞を受賞。厚生労働省の研究会委員や国会の参考人意見陳述を通じて育児・介護休業法の改正にも関わっている。
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