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「パパ・ママ育休プラス」を活用して、パパも育児休業を上手に利用しよう

コラム

「パパ・ママ育休プラス」を活用して、パパも育児休業を上手に利用しよう

高祖 常子(育児情報誌miku編集長/子育てアドバイザー)
平成30年度取材
■男性の育休取得は5%にとどまっている

「83.2と5.14」これは何の数字だかわかりますか?育児休業取得率(2017年)です。女性の育休取得率83.2%に対して、男性は5.14%です。前年度から1.98%上昇し、比較可能な1996年度以来で最高とは言うものの、100人中5人しか取得していないという結果でした。政府は男性の育児休業取得率の目標を2020年度に13%と掲げていますが、まだ遠く及びそうにありません。
共働き家庭も増えていますから、妊娠・出産を経て女性が働き続けるためにも、男性の育休取得は欠かせないこととなってきています。

■育休取得を2回に分けて取る方法がある

「育児休業」とは、子どもが1歳になるまでの期間に、連続した1回、育児のために休業取得できる制度です。ただし「パパ休暇」という制度があり、以下のようにママの産後8週間以内の間にパパが育休を取得すると、再度パパが育休を取得することができます。(以下の図は、厚生労働省WEBサイトより)

チャート図

産後は、ママの体や体力の回復に大事な時期ですし、さらにこの時期に無理をしたり頑張りすぎることなどによって、産後うつになってしまうケースもあります。ママが産後うつになると、パパも落ち着いて仕事をすることが難しくなるでしょう。産後のママばかりに育児・家事の負担が偏らないようにするためにも、パパが育休取得して家事・育児をママとシェアすることはとても大切です。
 産後すぐの時期の育休取得を促進するために、「パパ休暇」という制度ができました。

■「パパ・ママ育休プラス」で1歳2か月まで育休を延長

育児休業は原則、子供が1歳になるまでですが、パパとママが育休を取得することにより、1歳2か月までの取得が可能になります。これを「パパ・ママ育休プラス」といいます。ただし1人当たりの育休取得可能最大日数(産後休業含め1年間)は変わらないため、夫婦で上手に組み合わせて取得しましょう。

チャート図

育休取得が長くなると家計が心配という方もいるかもしれませんが、上記のように育休取得すると、子どもが1歳2か月までの間、67%の給付を受けることができます。
 育児休業給付は非課税で、育休中は社会保険料の免除もありますから、実質的には給与の約8割給付となります。これはパパとママそれぞれに給付されますし、育休を夫婦で同時期(重なった時期)に取得しても支給されるという心強い制度です。

■育休取得パターンを夫婦で相談しよう!

厚生労働省のWEBサイトでは、以下のような育休取得パターンを示しています。

チャート図

地域によりますが、首都圏などでは待機児童問題が解消されていない自治体もあります。保育所の空きがあれば、年度途中からでも入園できますが、多くの場合、4月入園と仕事復帰が重なってしまいます。保育所の通園開始時には、慣らし保育(最初は保育時間を短めにして、徐々に保育時間を長くして慣らしていく)もあり、また、集団保育のため、最初のうちは風邪など病気をもらってくることも少なくありません。
 ママの仕事復帰時に、パパが育休を取得して、家事育児を担ってくれると、ママの方は仕事復帰に注力できることになります。しばらくぶりの職場に慣れるのも、気力や体力が必要ですから、パパが育児・家事を回してくれると、ママはその時期は仕事に集中することができてとても助かるでしょう。
 ママからパパへの育休は、できれば「パターン2」のように、しばらくの期間、重ねて育休取得することがおすすめです。ママは子どものお世話の仕方や生活のサイクルを一緒に体験しながら伝え、公園や子育てひろばなどに一緒に行ってみるなど、パパが子育てや家事の方法を引き継げるようにしましょう。
 上記「パターン3」のケースは、祖父母の助けを借りるケースです。ママの仕事復帰と、パパの育休取得の間がうまくつながらない場合には、祖父母の手を借りるという方法も一案です。祖父母が近隣に住んでいれば頼みやすいかもしれませんが、祖父母が遠方に住んでいる場合でも一時期、交通費を出すなどして呼び寄せて手伝ってもらうケースもあるようです。
 右下「注意!」と書かれているところは、1歳までの取得ケースになります。「パパ・ママ育休プラス」で1歳2か月まで取得期間を延長できるのは、あとから育休取得した方になるためです。

まずは妊娠中に、育休の取得時期をどうするか、どのタイミングで取得するかなど、ぜひ夫婦で話し合っておきましょう。会社にも早めに希望を伝えて、相談することが大切です。そして産後は、ママの体調や子どもの発育状況などにより、企業と相談しながら、育休取得期間を改めて調整しましょう。

■育休取得の相談や引継ぎ

会社や上司への育休相談は、妊娠の報告をしたのち、産休に入る前のタイミングで相談しましょう。特にパパは、自分から伝えないと、ママが妊娠したことや、自分が育休を取得したいという希望があること、家族の状況などが会社に伝わりません。
 育児・介護休業法では、育休の申し出は開始日の1か月前までとなっていますが、引継ぎや仕事の状況などもあり、また育休取得には同僚の理解も大切ですから、早めに相談しましょう。
 無事出産したら会社にも早めに伝えておきましょう。育休取得について改めて確認し、開始日と終了予定日を書いた文書やメールなどで、申請することが大切です。
 会社側の仕事の状況によって、育休取得期間の希望がそのまま通りにくいことがあるかもしれませんが、互いに配慮しながら、希望に近づくように調整しましょう。

・育休取得を相談するときに伝えるべきこと
出産予定日
育休開始と終了の希望日
育休を利用する(利用したい)理由
家族の状況(パートナーの育休取得の有無と育休を取得する場合の期間、出生児のきょうだいの状況など)
育休中の業務について(引継ぎの案や予定、緊急時の就労の可否、会社との連絡方法など)
保育所の入園時期や入園できる可能性
保育所に入園できない場合に現時点で考えている対応など
(『パパとママの育休戦略』より、一部編集)

■パパの育休取得を促進するために

冒頭で男性の育休取得率を紹介しましたが、今は男性だけが、時間を問わず働くという時代ではなくなってきています。育休取得は、出産予定日がわかりますし、その後のどのタイミングで取るかの調整です。これと比べて介護は、親が突然倒れる場合もあり、急に介護休暇を取らざるを得ないということにもなるでしょう。育休取得は予定が立てられるので、企業のその間の仕事や人の配置をどうするかなどの対策ができるわけです。
 育休取得したケースでは、「引継ぎをすることで仕事の棚卸ができた」とか、「個人に紐づいてしまっていた仕事を共有でき、チームでカバーできるようになった」などの利点もよく言われています。
育休取得によって仕事が回らなくなると恐れるよりも、これを機会に仕事の進め方や配分を見直し、ブラッシュアップするきっかけになると考えてはいかがでしょうか。
 また、NPO法人ファザーリング・ジャパンのアンケート(2015年)によると、パパの育休取得を進めるには何か有効か、という問いに対しては「上司が育休いつ取る?と聞いてくれる」という回答が一番でした。まだまだ男性の育休取得率が少ないために企業での前例がなく、パパが自分から「育休取得したい」と申し出ることにハードルを感じているケースも少なくありません。妊娠がわかった時点で、上司や人事担当などから「育休はいつ取るのですか?」とぜひ、問いかけていただけたらと思います。さらに、パパは育休を取得する権利を持っています。ためらわず、ぜひ会社に相談してみましょう。

■2017年からの改正育児・介護休業法

育児をしながら、パパやママが働きやすいように「育児・介護休業法」が2017年に改正されました。育児に関するポイントは以下の3つです。

・最長2歳までの育児休業の再延長が可能に
1歳6か月時点で保育所に入れないなどの場合は、会社に申し出ることによって育休取得期間を2歳まで延長することができます。

・「育児目的休暇」の導入を促進
未就学児を育てながら働く人が、育児に関する目的で利用できる休暇制度を設ける努力義務が創設されました。子どもの誕生日や行事参加のための休暇、ファミリーフレンドリー休暇、配偶者の出産休暇制度などです。

・育休制度などを伝える
従業員本人や配偶者の妊娠・出産にあたり、育休に関する制度(育休中や休業後の待遇や労働条件など)について、事業主が個別に知らせる努力義務が設けられました。

労働人口の減少に伴って、労働力確保のためにも、企業も働きやすい環境作りを進めています。「子の看護休暇」は、子ども1人につき年5日、子ども2人以上は10日までですが、夫婦それぞれが取得することができ、半日単位でも取得できます。これを時間単位で取得できるように制度改正した企業もあるようです。
 働く人の要望によって、各企業が特色のある制度を取り入れるケースも増えてきています。「この制度がこうだったら使いやすいのに」などと感じることがあれば、ぜひ同僚などとともに企業に相談してみてはいかがでしょうか。

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