ページの先頭

ページ内移動用のリンク

ヘッダーメニューへ移動

グローバルナビゲーションへ移動

本文へ移動

フッターメニューへ移動

両立支援の重要性

STEP 1 知る

両立支援の重要性

家族の介護に直面する社員や、将来の介護に不安を抱えながら働く社員は今後増加すると予想されます。そのため、仕事と介護の両立に関する正しい知識と情報を社員に提供することが、企業に求められます。貴重な人材を失うことは企業にとって大きな損失であり、仕事と介護の両立に向けた取組は、社員にとってだけでなく、企業にとっても重要なテーマだといえるでしょう。

介護を必要とする人は増える

令和7年度年度末現在、要支援・要介護認定者は全国約736万人おり、介護保険制度が開始された平成12(2000)年度から約3.4倍に増えました。高齢者(65歳以上)は3,585万人ですが、2040年には、高齢者は3,920万人、うち後期高齢者は2,239万人に増加するとの推計が出ています。今後、高齢者、特に要介護認定率の高い後期高齢者が大幅に増えることから、要支援・要介護認定者数は今後も増え続けることが予想されます。

要支援・要介護認定者数の推移
(出典)厚生労働省「介護保険事業状況報告」

要支援・要介護認定者数の推移

高齢者人口の推移
(出典)総務省「国勢調査」、総務省「人口推計」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」

高齢者人口の推移

介護離職は企業の損失

国の調査(※)によると、介護をしている人は50代が最も多く、働きながら介護をする人も年々増えています。特に40歳代後半〜50歳代の社員は、管理職に就くなど職場で中心となって働いているケースが想定され、そういった人材の突然の離職は、社員本人だけではなく会社にとっても大きなマイナスとなってしまいます。そのため、仕事と介護の両立を可能にするための支援制度の整備は、会社にとって、単に社員に対する福利厚生の充実にとどまらない、重要な人事戦略といえます。
(※)令和3年 総務省「社会生活基本調査」より

社員からは言い出しにくい

社員が家族の介護に直面したときに、会社に相談するケースは少ないと言われています。育児と違い、いつまで続くかわからない、相談すると会社に迷惑がかかる、昇進が遅れる、といった不安感や、社員自身40歳代後半〜50歳代の管理職で相談できる上司がいない、といった事情などから、相談したくてもできないのがその原因ではないかと推測されます。また、育児休業制度と比較すると、介護休業制度は一般に認知度が低く、家族を介護するためには会社を辞めなければならないのではないか、と思い込んでいるケースも考えられます。このため、社内で家族の介護に対する不安を抱えている社員を把握することが第一に必要になります。

今後介護に直面する可能性

東京都が都内企業に勤務する社員に行ったアンケート調査(※)によると、「今後、家族・親族を介護する可能性」の質問に対し、「今後5年以内に介護を行う可能性がかなり高い」と答えた人が26.5%、「今後5年以内ではないが、将来的に介護を行う可能性がある」と答えた人が45.1%と、介護の可能性があるとする割合が7割を超えています。特に50歳代では「今後5年以内の介護の可能性がかなり高い」が4割近くに達しており、会社にとっても、社員の家族介護に対する支援制度の整備は、遅れるほど深刻な影響を与える喫緊の課題であると考えられます。そのため、家族の介護に関する社員の実態把握に加え、介護と仕事の両立を支援する制度の整備、相談窓口の設置、若手も含めた社員への啓発活動などの取組が重要となってきます。
(※)東京都産業労働局 平成27年3月「仕事と介護の両立に関する調査」より

育児と介護の相違点

育児は、たいてい社員自身が担いますが、介護は、介護保険の介護サービス等を利用して社員自身が介護に専念しすぎないようにすることが重要です。また、育児は、育児が始まるまでの間にある程度準備する期間が見込めますが、介護に突然直面することもありますので、前もって社員に両立のための情報提供をすることが大切です。加えて、介護がいつまで続くかわからないという不安を抱える社員に対する精神面でのサポートの必要性や、職場の上司や同僚に話しづらいために表面化しにくい場合もあるといった特徴を持つことへの認識が必要です。

池田 心豪
池田 心豪 監修
大正大学人間学部人間科学科教授。博士(経営学)(法政大学)。
専門は産業・労働社会学、労働政策、人的資源管理。介護と仕事の両立に関する論文や著書を多数発表。
主著『介護離職の構造――育児・介護休業法と両立支援ニーズ』(労働政策研究・研修機構、2023年)は労働研究の最高殊勲である労働関係図書優秀賞を受賞。厚生労働省の研究会委員や国会の参考人意見陳述を通じて育児・介護休業法の改正にも関わっている。
ここからフッターメニューです