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体験談7:Nさん

不妊治療のプレッシャーを身近な人の協力によって乗り越える

【プロフィール】
性別・年齢:女性・30
勤務先の事業内容:小売販売
従業員規模:約40名
職務:事務、社内システム対応
家族構成:配偶者・子ども1人
居住地:東京都

1.不妊治療を始めたきっかけと治療内容

結婚して5年が経ち、子供を授かりたいという願いを胸に妊活をはじめましたが、生理不順がある事が気がかりでした。そのため婦人科を受診したのですが、診断結果は多嚢胞性(たのうほうせい)卵巣症候群が発見され、別の産婦人科に転院することになりました。そこでは薬の服用を中心とした病気の治療が進められましたが、妊娠を成功させることを優先したいと思い、不妊治療専門クリニックに通うことにしました。当初はタイミング法や人工授精も試みましたが、なかなか妊娠には結びつきませんでした。クリニックにしばらく通う中で子宮内膜症の可能性が浮上し、これまでの方法ではなく体外受精を試みることにしました。

2.勤務先の支援体制、利用状況

現在の勤務先は通常の有給休暇に加え、「ファミリー休暇」制度があります。この制度は、取得理由を詳細に申請する必要なく、家族に関する理由で取得できる有給休暇です。以前は、中学生までの子供の学校行事などに時間単位で利用できる「学校行事休暇」制度がありましたが、独身者や子供のいない従業員も利用できるようにリニューアルされたのです。私が不妊治療を始めてしばらくしてから、そのファミリー休暇制度が導入されました。同時に業務もテレワークが導入されたため、午後から不妊治療専門クリニックに通院する際には、ファミリー休暇を時間単位で取得し、効率的に通院する事ができました。

社内では社長に個人的に不妊治療を行っていること、休暇の申請が以前よりも多くなることについて事前に相談しました。当社の社長は、女性として従業員一人ひとりに寄り添ってくださり、不妊治療についても理解を示してくれました。

3.協力者との関係

夫は、私がクリニックに通院する際には可能な範囲で送迎をしてくれました。私の通ったクリニックは男性が中に入ることができなかったのですが、クリニックの前まで送ってくれたり、受診後に時間を合わせて迎えに来てくれたりしました。自宅からの通院は電車でしていたのですが、病院での検査や処置後に身体に痛みが走り、一人ではとても帰れない状態になってしまうこともありました。そのような時には、夫が勤務時間を調整して一緒に帰宅してくれたことは、心強い支えでした。通院の頻度は平均して1週間に1度ほどでしたので、夫も勤務時間の調整が大変だったと思いますが、その支えがあったおかげで、私は安心して治療に集中することができました。

4.両立の悩み

職場で不妊治療をしていることを周りに伝えるべきか悩みました。治療によっては「生理が来た○日目に受診」、受診した日の「○日後に再受診」するように言われたために、前もって休暇を申請する事ができずに急な休みを取ることが多々ありました。そのようなことが重なり、私自身も急な休みを取ることがとても申し訳なく感じていました。私が休むことによって、同僚はスケジュール調整しなければならなくなりますし、頻繁に休む理由も伝えていなかったため、周りの方たちには私が何か病気を抱えているのではないかと心配させてしまいました。どのタイミングで周りにも伝えるべきか、よく悩んでいました。

また、不妊治療が失敗するたびに気持ちが落ち込むこともありました。どうして子供を授かることができないのだろうと周りと自分を比べたり、自分を責めることもあり、そのような精神的な疲れも経験しました。

5.両立のコツ

勤務時間中は仕事にしっかりと向き合い、仕事から離れたらひたすら自分のために時間を使うことを意識しました。また可能な範囲で出社して仕事をすることも意識していたことの1つです。不妊治療中は治療の辛さから孤独感を覚えることもよくありました。そのためテレワークをしながらも、なるべく出社して社内の人と関わることで自分は一人ではないと自分を鼓舞していました。挨拶のような簡単なものを含め、周りと直接コミュニケーションをとることが何かしら自分にとって力になっていたと感じています。

6.不妊治療と仕事の両立を経て、伝えたいこと

私は幸運なことに常に周りの方の理解や環境に恵まれていたため、不妊治療と仕事の両立ができました。 不妊治療に理解のある会社、なにも知らない状況でも協力してくれた職場の皆さん、精神的サポートをしてくれた夫がいたからこその結果です。

仕事と両立させるためには周りの理解が1番重要だと思います。家族、職場の皆さんにはとても感謝しています。今後、もし職場の人が不妊治療に限らず様々な理由により仕事の助けを必要としているならば、わたしは積極的に協力していきたいと考えています。協力してくれた会社と職場の皆さんにしっかり恩を返していきたいです。

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