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事例8:株式会社ポーラ・オルビスホールディングス

女性従業員への健康対策を拡充し、ライフステージ毎の体調管理をサポート

株式会社ポーラ・オルビスホールディングス

1.企業概要

設立年 :2006年
所在地 :東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル
ポーラ・オルビスグループの従業員数 :4,017名(男性978名、女性3,039名 平均年齢41.5歳)
ポーラ・オルビスグループの事業内容 :化粧品を中心とした「美と健康」に関わる事業 

2.取組の背景

ポーラ・オルビスグループでは、経営理念を2017年に「感受性のスイッチを全開にする」に刷新し、健康こそが多様な個性・感受性を育み発揮するための源泉であると認識した中で、健康経営に積極的に取り組んできました。特に、当社グループの被保険者のうち約70%を女性が占めていることから、女性の健康対策に力を入れています。

婦人科健診の推進においては、働き盛りの女性が、婦人科検診を受けやすい環境づくりや検診の選択肢の拡充、リテラシー向上等への取り組みを行っています。

また、女性特有の体調不良、特に月経随伴症状と更年期症状に悩まされている従業員が相当数いることが社内アンケートにより明らかになったことから、近年では女性特有の健康課題をテクノロジーの力で解決するためのサービスであるフェムテックも導入し、効果を上げています。

3.取組内容

ポーラ・オルビスグループ健康管理センターは、2018年に社内に婦人科医師を2名配置しました。従業員が健康管理センターにメールや電話で問い合わせることが可能な仕組みを構築し、相談しやすい環境を整えています。また従業員が自己負担なく、子宮頸がん検診やマンモグラフィを使用した乳がん検診を毎年受診できるように支援し、その結果、2023年度の受診率は子宮頸がん検診が77.4%、乳がん検診が84.8%と高水準となっています。

さらに近年では月経や更年期などの女性のライフステージ毎の健康課題に対応するプログラムを充実させています。
プログラム導入前のアンケート調査では、月経随伴症状による体調不良によって、仕事のパフォーマンスが通常よりも50%以下に下がってしまうと答えた従業員が多数いることがわかりました。一方で、その不調に対して婦人科を受診している従業員は20%ほどにとどまり、婦人科に足を運べない従業員は、月経随伴症状を我慢しながら日々の業務を行っているということでした。また更年期症状に関するアンケート調査でも、約 6 割が更年期による何らかの症状を抱えていることが分かりました。その一方、対処法として婦人科を受診する人は20%以下にとどまり、約5割は「我慢している」と回答するなど、月経でも更年期でも、不調を抱えながらも医療機関を受診する人が少ない現状が明らかになりました。これは、経済産業省が2024年2月に公表した「女性特有の健康課題による社会全体の経済損失額は年間3.4兆円」であるということを、大いに理解できるものです。

これらの事から、当社ではオンラインで医師の診療を受けることができ、低用量ピルや漢方の処方・配送を受けることのできるフェムテックプログラムを導入する事にしました。

月経プログラム利用者へのアンケート調査では、月経に伴う体の不調がないときに発揮できる仕事の出来を100%としたとき、月経中に不調を感じている状況でのパフォーマンススコアが、利用前は平均 61.7%だった回答が、薬の処方などを受けた利用後は平均 82.3%と 20.6 ポイント の向上が見られました。また更年期プログラムにおいても、パフォーマンススコアが、利用前は平均 64.5%でしたが、利用後は平均 75.7%と 11.2 ポイントの向上がみられました。また利用者からは「月経痛が軽減した」、「生理前・生理中の不快な症状が減った」などといった声や、「更年期に対してフォローしてほしいと思っていたので助かる」「辛い症状が緩和されて、モチベーション高く業務と向き合えるようになった」など、多くのポジティブな声があがりました。これらの結果から、プログラムを導入することで女性特有の健康課題に対して、症状の改善や業務の生産性向上に手ごたえを感じています。

4.これまでの効果と、今後の課題

健康経営を推進する中で、従業員の健康習慣の定着化については、まだ不十分な点があります。自社の健康保険組合と共に様々な取り組みを実施していますが、特に従業員の間での活用率の向上が課題です。従業員にとって会社の制度や施策が、「自分事」として感じられていない点に課題認識をおき、今後は、研修やセミナーなどの情報発信を継続して行うことで、健康課題を解決する手立てや、対策をする事で各々の仕事がしやすくなるということを知ってもらい、「自分事」として捉えてもらえることに力を入れていきます。

全社的な知識の共有、リテラシーの向上と、フェムテックなどの仕組みを取り入れながら、従業員一人ひとりが不調や不安を専門家に相談しやすい、受診しやすい環境づくりを進めていくことが、従業員の体調管理と充実した仕事の両立に繋がると確信しています。

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