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事例1:株式会社クレストコンサルティング

従業員の事情に合わせ両立支援制度を柔軟に改良

平成30年度取材

1.企業概要

創立:1989年
所在地:東京都千代田区神田西福田町4
従業員数:18名(従業員の男女比 男性4:女性5)
育児休業取得率:女性対象者100%
事業内容:業務マニュアル、システム利用者向け操作ガイドなどの各種マニュアル作成、各種マニュアル整備のコンサルテーション、ISO9001に基づいた品質管理コンサルテーション、中小企業向けIT最適化コンサルテーション、ISMS、プライバシーマーク取得支援

2.取組の背景

 「全従業員の仕事と生活の調和を応援すること」を経営理念の一つとし、全従業員が安心して仕事に取り組み、その能力を十分に発揮できる職場環境の整備を行ってきました。
 2015年から2017年にかけ業績が悪くなり、人材確保が難しくなりました。そこで、これまでスキルやキャリアを積み上げてきた従業員が子育てを理由に離職せず、働き続けられる環境を改めて見直すことになりました。これまでも従業員個々に悩みがあれば、その解決策をともに考え制度化していく企業風土がありました。過去には、一人の女性従業員から、「結婚して生活のペースが変わり、今のままだと仕事との両立が難しい」と相談があり、「では、勤務時間の短縮をしてはどうだろう」という会社からの提案に、本人は1日の時間を短くするのではなく週3日の勤務を希望しました。週3日勤務でしばらく続け、家庭と仕事の両立のペースがつかめてきたため、本人の申出により週4日勤務に変更し、その後フルタイムに戻りました。このような相談を従業員個人の問題で終わらせず、組織として従業員の抱える問題解決に取り組み、従業員の誰かが同様の状況に置かれた際にも活用できる解決策を共有していこうということで、制度化することになりました。
 育児のための勤務時間短縮もあり、小3まで利用することができます。フルタイム勤務に復帰できる状況が整えばフルタイムに戻り、難しい場合にはまた勤務時間を短縮することができます。会社側が従業員の事情に合わせ、柔軟に丁寧に対応する環境が整備されています。
 今、子育てをしながら働いている女性は育児休業の人を含めて3名います。子育て中の男性も1名います。

3.取組内容

① 実態把握
 まずテーマを決め、アンケートを行い、従業員の仕事に対する意見等を把握しています。厚労省の仕事と育児の両立に関するアンケート項目を参考に、イントラネットによる無記名のアンケートをこれまでに3回実施しました。
 2016年は「仕事と育児」と「仕事と介護」がテーマでした。「仕事と育児を両立するために推進すべきと考える施策はどれですか」という問いには、「男性が育児に参加することへの職場や社会の環境整備」、「育児休業制度の充実」、「労働時間の短縮など、働きながら育児しやすい柔軟な働き方の推進」、「保育所の整備」、「病児保育」などの回答がありました。「仕事と育児の関係について」は「子育ての経験が仕事に役立つことがある」、「生活にめりはりができた」など前向きな回答。育児休業についての質問では、より利用しやすくするため、「子どもが1歳を超えても取得することができる」、「複数回に分けて取得できる」など、さまざまな意見がありました。また、仕事と介護の両立については、将来的に介護の可能性があると回答した従業員は半数いましたが、「地域包括支援センターの存在」についての問いでは、名前も存在も知らないとする回答が殆どで現実的な段階にはなっていない状況です。
2017年には社内のコミュニケーションなどの内容についてアンケートを行いました。ウェブのアンケートフォームを活用し、個人が特定できない仕組みになっているため、自分が思っていることを素直に回答でき、また、人事考課の査定でマイナスになる不安もありません。そのため、ほぼ従業員全員が率直な意見を述べる場ができ、全員で共有することができています。

② 制度設計のための行動計画の策定
 これらのアンケートの結果も踏まえ、「全従業員の仕事と生活の調和を応援する」という経営理念の実現に向け、次世代育成推進法に基づく一般事業主行動計画を策定しています。計画期間は平成28年8月1日から平成31年7月31日までの2年間で、現在7つの目標と、それぞれの目標への対策が策定されています。

目標 対策
男性の育児参加応援のため妻の産後休業および育児休業中の休暇(育児休業、年次有給休暇など)を奨励する。 各年7月、10月 全体会議で従業員へ向け、周知する。
男性の育児参加の理解を深めるため、育児と仕事の両立に関する社内研修を年1回行う。 各年7月 育児休業や子の看護休暇などの制度について研修を行う。
男性の育児参加応援のため就業規則に規定されている特別休暇のうち、妻の出産時に付与される休暇を1日から3日に変更する。 平成28年11月 管理グループを中心に検討会議を開催する。
平成29年7月 就業規則改定。
各年7月 全体会議で従業員へ向け、周知する。
所定外労働を削減するため、ノー残業デーを設定する。 平成28年8月 各自で曜日を設定できる週1日のノー残業デー制度を策定する。
各年7月 制度の運用状況、取組の成果について確認する。
各年8月 問題点や改善点の有無について管理グループが中心となって検討し、問題があれば改善のための取組を検討し、実施する。
育児休業中の従業員に仕事関係の情報を提供し、円滑な職場復帰を支援する。 平成28年8月 情報提供時期、回数、提供方法などを検討する。
平成28年9月 情報提供を行うことについて、社内へ周知する。
平成28年10月~ 休業者に向け実施する。
子の看護休暇(法定5日間)を、15分単位で取得可能な制度とする。 平成28年8月 制度開始時期を検討し、実施する(年内開始を目指す)。
小学校3年になるまで利用できる勤務時間短縮等の措置を導入する。 平成28年8月 従業員の希望をヒアリングする。
平成28年9月 検討会議を開催する。
平成29年7月~ 制度を構築し従業員に周知する。

③ 育児に直面した従業員への支援制度
 行動計画を踏まえ、従業員の要望をできるだけ制度に反映し、運用するために、家庭と仕事を両立する幅広い支援内容が特徴となっています。

●ファミリー支援休暇
 育児に直面した従業員だけを対象としたものではありませんが、家族に関する様々な事柄に利用できる休暇を設けています。妻の出産時、結婚記念日、介護、看護などのほか、不妊治療など家族に関することならどのような事柄であっても使えます。年間5日まで取得が可能です。

●子の看護休暇制度
 6日間取得できる(法定5日間)。また15分単位で取得可能(法定半単位)。

●勤務時間短縮制度
 子どもが小3になるまで利用できる

●休業中スタッフを補充する社内の体制
 フリーランスのスタッフに依頼し、休業中の従業員の代替えを担ってもらい、他の従業員の負担にならないようにしています。

④ 働き方改革
 育児との両立支援に取り組みつつ、自社の女性にはもっと活躍してほしいとの思いから、女性活躍推進法に基づいた一般事業主行動計画も作成しました。期間は平成31年1月1日から平成35(2023年)12月31日までの5年間。まずは、残業時間増と有給休暇消化率の低下の原因、業務プロセスの見直しや、作業時間と作業内容を正しく把握する対策が必要になりました。
さらに、女性の活躍には、全社的な働き方改革が必要と考え、様々な取組を行っています。

●出退勤時間のスライド
 勤務時間に関するアンケートをとりました。「出退勤時間をスライドで前倒しできる制度があれば利用したいですか?」という質問に多くの人が、「利用したい」と回答しています。この結果を受けて、就業規則では9時半から17時45分が就業時間、休憩時間は45分、労働時間は7時間半となっている就業時間を前にずらし、朝は7時半から出勤できます。後ろ倒しは10時半から18時45分までと出退勤時間のスライドを可能にしています。

●テレワーク
 テレワークのしやすい環境を2019年から整備・推進していきます。セキュリティを担保した利便性の高いクラウド環境に移行し、会社貸与のPCだけでなく、自己保有PCでのテレワークも可能としていきます。テレワークを利用することで、時間を効率的に使えるようになり、有給休暇を心身のリフレッシュに充てることができるよう周知していきます。現在、利用率が27.7%と低いので、数値目標40%を目指したいと思っています。
時短で育児中の女性従業員が在宅で仕事をしています(1日4時間)。スカイプでの会議にも参加してもらっています。

●サテライトオフィス
 希望した従業員が在住している地域に、サテライトオフィスを設けています。ただし、今のところ、利用率は高くありません。

●グループウェアで最新情報提供
 これらの取組を記載した就業規則の最新版をイントラネットにアップし、いつでも見られるようにしています。介護と育児関係の規程については別立てで見やすくピックアップして公開しています。中小企業のため、従業員一人ひとりの悩みに対応していきたいと考えています。介護や育児を理由に辞めてしまっては会社も困りますし、本人もそこでキャリアがストップしてしまうので、もったいないと考えています。

4.これまでの効果と今後の課題

 従業員が働きやすい職場環境にしていくためにはどうしたらよいか、従業員の意見を聞きながら制度を修正して進化させてきました。社内アンケートで得られた意見を整理し、管理グループから提案し、やってみたいという人が一人でもいればまずは実行してみます。不便な点が出てきたら修正し、修正を重ねて定着させていきます。現在ベストなことでも、従業員の環境が変わることで少しでも不便だと感じる点があれば、変えていきます。

 現在の課題は、テレワークをもう少し使いやすいものにしていきたいということです。従業員向けの社内説明会を行い、テレワークの利点なども合わせて周知します。テレワーク利用率の統計および利用に関するアンケートなどを行い、何がボトルネックになっているのかを分析して行こうと思っています。サテライトオフィスも契約しているのですが、使用率があまり高くありません。テレワークで効率的に仕事ができるよう利便性をもっと考えていきたいです。

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