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事例11:JTP株式会社

テレワークの積極活用で育児期間中の業務効率改善

1.企業概要

設立年:1987年
所在地:東京都品川区北品川4-7-35 御殿山トラストタワー14階
従業員数:435名(男女比78:22、平均年齢36歳)
育児休業取得率 :男性71%、女性100%      
事業内容 :海外ITベンダー、ライフサイエンス分野の機器メーカーに技術サービス、アウトソーシングサービスを提供

2.取組の背景

当社は創業当初から新卒採用をはじめ、時流に沿った変化に進取の気性を持って取り組んできました。技術的にも日進月歩で進歩してゆく業界のため、当社も新技術の導入や組織の変革、サービスの向上などについて日常から柔軟に対応しており、はたらき方についてもテレワークを積極的に導入しています。テレワークの積極的な導入が、育児期間中の従業員にとって、育児と仕事の両立を行うために大きな意味を持つことも明らかになってきました。

3.取組内容

以前、当社では育児のために就業体制を変更したいと願い出る従業員への対応を個別で行っていました。そのために部署や個人によって若干の対応の違いが生じることは否めない状況でした。例えば、ある従業員は頻繁に小児科病院に通わなければなりませんでした。また、別の従業員は育児期間中に別の会社で働いているパートナーが繁忙期を迎えたため、一人で育児を行わなければならないという状況でした。さらに当時、従業員が利用できる制度は就業時短制度のみで、定期的に早退をしなければならなかったり、担当業務を充分に果たせない従業員もいました。

その後のテレワークの導入により、育児中の従業員が自分の状況に合わせながらも仕事の効率を上げ、充実した業務を行うことができるようになりました。従来の時短制度を利用した場合はこどもの病院や保育園への送迎のために早退しなければなりませんでした。従業員は自分の取り組んでいる業務の効率が下がっていることに悩んだり、他の従業員への遠慮の気持ちを覚えることも少なくありませんでした。しかし育児中の従業員がテレワークを積極的に選択することで、育児を終えた後に仕事を自宅で行うことができるようになり、業務を効率的に行うことができるようになりました。

育休取得後もテレワークでの業務によって他の従業員と同等の仕事が可能なために、育児と仕事のバランスを保つことができています。当社としても業務全体の効率が向上し、育児中の従業員も他の従業員に気兼ねすることなくテレワークで仕事をすることができています。そのため、当社では育休明けの職場復帰は100%となっています。

女性従業員の育休取得率は100%の当社も、以前は男性従業員の育休取得率は低いものでした。社会的に男性が育休をとることが珍しかった世代の従業員は、自分に子供が産まれても、どうしたらよいのか分からずに育休を申請するのをためらうこともあったようです。また、年若い世代の従業員も先輩従業員が育休を取得していない姿を見て、遠慮の気持ちを抱いたり、育休制度自体を知らないため申請しない人が多くいたりする状況でした。そんな中、当社の代表取締役は子供の産まれた男性従業員達と個別面談をし、育児休業を取得する重要性ついて積極的に話し合いを行いました。その面談では育児休暇制度の熟知について話し合うのではなく、育児休暇を取ることでどのように従業員の家庭を良いものにできるのか、ということに焦点があてられています。男性従業員たちは代表取締役と直接面談をすることで、育休取得の心理的障壁が取り除かれ、家庭内での育児参加の重要性に気づかされています。

その他にも、朝礼時に男性従業員を含む全従業員の育休取得率についても触れることにより、育休取得が従業員にとって重要な事柄となるように心がけています。その結果、現在では男性71%、女性100%の育休取得率を達成しています。また、改正育児・介護休業法の施行によって、令和5年4月1日より従業員が1000人以上の事業者は男性労働者の育児休業取得率等の公表が義務化されましたが、私たちは「くるみん認定」取得を目標に、社内の育児と仕事の両立に関する取組を進めていたので、法改正に先立って男女の育児休業取得率の公表をしております。

グラフ

図1:当社の男性社員の育業取得率の推移

 

4.これまでの効果と、今後の課題

(1)これまでの効果

これまでのようにテレワークという選択肢がない状況で育児を行わなければならなくなったら、育児期間中の従業員は時短制度を選択するしかありませんでした。また、そのような従業員への個別の対応は担当部署で決めていたために、従業員各人は育児期間中に会社がどのような対応をするかについて、心配しなければなりませんでした。働きたいのにその環境が整っていないー。そのような問題に当社はテレワーク導入により立ち向かいました。育休を取得し復帰した後も、テレワークによって育児と仕事を両立することで、従業員は育児を充分に行えていると実感しています。同時に会社の業務にも定時で携わることができています。育児期間中にテレワークを利用することで業務を行っている従業員は、もし介護の問題や病気を抱えるとしてもテレワークによってそれらの問題と仕事の両立ができると自信を深めています。

(2)今後の課題

当社では各従業員の意識が高まり、育休制度を取得したいという問い合わせが増えています。一方で、新しい制度に社内の規定の更新が追い付いていない状況です。従業員が制度を活用するときに、会社として即座に対応することが責務と認識していますので、今後は各制度の活用法に熟練し、育児と仕事を両立させている従業員にとってストレスなく制度利用を支援できるようになることを目標としております。

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