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事例12:株式会社イクスイ

育業期間中のスキルアップ支援で、従業員の不安を解消する

1.企業概要

創立年:2015年
所在地:東京都港区新橋5-22-6 ル・グラシエルビル2 4F 
従業員数:8名(男女比7:3平均年齢36歳)
育児休業取得率:100(出産対象者に対して)%
事業内容:システム開発、システムコンサルティング、ソフトウエアプロダクトサービス

2.取組の背景

当社では、全従業員が安心して業務に集中できる環境を目指しています。その中で育児と仕事の両立を支援する制度については、以前から社内でも求める声があり、出産や育児など人生の重要なイベントに従業員が集中できるよう、様々な支援策を実施してきました。その結果、全従業員が育業を取得できる環境となり、育業の取得率が100%に達しました。

その上で私たちは更に育業取得時の支援にも積極的に取り組んでいます。私たちは従業員が育業後の職場復帰に際して直面する課題に注目しています。従業員が育業中の職場の変化や自身の役割の変更に適応することは、一定の困難を伴う可能性があります。そのため、育児に影響を与えない範囲で育業中のスキルアップや新たな能力習得の機会を提供しています。このようなサポートを通じて、従業員は自己成長の機会となり、職場復帰後の活躍に対する準備を行うことができます。育業後の職場復帰は大きな変化と課題を伴いますが、私たちは従業員が新たな挑戦と成長の機会を得られるよう支援を継続したいと考えています。

3.取組内容

当社では育児等への影響がでない範囲に限定した上で育業中の従業員に対して、スキルアップの機会を提案しています。これは個々の従業員の関心に基づき、必要なリソースやオンラインセミナーの提供を行っており、キャリア成長や復帰時の役割作りへのサポートに繋がっていると考えています。一例として、ある従業員にヒアリングした結果、4日間のオンラインセミナーを従業員に提案したことがありました。当該従業員は夫婦共働きであり、育業中に4日間のオンラインセミナーを受講するためには、配偶者との協議が必要という状況もありましたが、結果として参加した従業員からセミナー内容に対する満足の声が寄せられました。このような取り組みは、従業員が育業中にスキルの向上を促進する事ができるだけでなく、夫婦間の協力を育む一助となり、働く親としての両立を支援するものになると考えています。

また、従業員が育業取得において同僚に対し遠慮や、復帰後の自分の居場所に関する不安を感じることなく、育業を取得できるよう会社全体としても後押しする雰囲気を整えています。業務の効率化や業務フローの見直しといった残業時間の削減にも積極的に取り組むことで従業員のワークライフバランスの改善にも繋がり、育業を取得しやすい環境へ繋がっているとも感じています。また当社では管理職が育業や育児そのものに対する理解を示していることをオープンな雰囲気でコミュニケーションすることについても重視しており、従業員への支援を提供する事も明示しています。このような環境によって、従業員が育業を取得しやすくするだけでなく、職場全体の協力体制を促進し、新たな価値観や経験を共有する機会を提供できていると感じています。

4.これまでの効果と、今後の課題

当社の従業員数は少ないですが、良い事例ができたと考えています。育業中のスキルアップを経験した従業員から「安心して育業を取得できた」といった好意的な感想が寄せられているため、今後も育業中のスキルアップに関心を持つ従業員が増えるのではないかと期待しています。従業員の育業中のスキルアップ支援を開始してみて、その効果の大きさを実感しました。スキルアップの機会を得た従業員は職場復帰後も業務をより効率的に遂行し、他の従業員にも学んだことを共有するような動きも見られるようになりました。このような取り組みが、従業員一人ひとりの成長と職場全体のパフォーマンス向上に寄与していることを実感しています。

管理職の中には育業中のスキルアップという新しい取り組みに関して、新鮮な感覚を持ち、興味を抱いた者もいます。自分たちが育児をしている時代にはなかった取り組みだからです。社内の従業員たちも、会社の支援によって新しい取り組みに積極的に参加し、会社への信頼をより厚くしたとの反応もいただきました。育業中のスキルアップという新しいアプローチや取り組みについて会社全体として高く評価しており、社内の雰囲気や協力関係にプラスの影響を与えていると感じます。

育業中のスキルアップについては、従業員それぞれに様々な意見や状況があると考えていることから、当社では従業員に対して強制することなく、個々の希望や状況に応じた内容を提供することに注力しています。スケジュール面でも、育児を優先し、柔軟に調整することを心がけています。育児状況によって社外のオンラインセミナーへの参加日程の変更が必要になったときには、従業員ではなく会社が責任を持って対応にあたることが大切だと考えます。子どもや家庭環境によって考えるべきことが異なることも周知しており、それぞれの状況に沿った対応が必要であることを理解するように努めています。育業中のスキルアップを支援する際には、全ての従業員を平等に扱い、その上で個別の状況やニーズに対応する柔軟性と配慮、公平かつ適切なサポートが最優先と考えています。

現在は厚生労働省からの資料を活用し、育業対象者への説明を行っていますが、今後は自社で資料を作成する事により、育業中のスキルアップについて更にスムーズに説明・運用を行えるよう努めたいと考えています。ある従業員からは、育業についての相談を半年前に受けていましたが、実際の準備が進められたのは直前の3か月という短い期間でした。今後、自社の資料を使用することで情報の理解度を向上させ、手続きを迅速かつ効果的に進めることができると考えています。

育業期間中にスキルアップやその他の機会を提供することで、従業員が働きやすさを感じ、業務に対する意欲や満足度を高めることができると期待しています。今後も従業員がより充実した経験を得られるようサポートしていくことで、企業としての重要な務めを果たしてゆきたいと考えています。

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