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事例18:株式会社アミテス
独自の人事制度で、従業員も育児と仕事の両立をスムーズに
1.企業概要
設立年 :2014年
所在地 :東京都福生市牛浜92-1 アミテスビル
従業員数 :17人(男性4名、女性13名、平均年齢30.6歳)
事業内容 :ホームページ、Web系システム制作、販促品全般制作、自動車販売、自動車買取、レンタカー、カフェ事業、食品工場事業
2.取組の背景
当社では、多様な人材が社内の適切な役割で力を発揮できるよう、「Operator」「Manager」「Specialist」「Executive」という独自の役割に基づいた人事評価制度を導入しています。特に、従業員の平均年齢が若い当社においては、育業や育児をしながら働く従業員も多く、それぞれの環境や能力に応じてのびのびと働けるよう、制度改革を進めています。
子育て中の従業員が「育児のためにキャリアを諦める必要があるのではないか」と悩んだり、職場環境に不安を感じたりしないよう、代表取締役をはじめとする経営陣が従業員との面談を継続的に行っています。この取り組みにより、個々の状況に配慮しながら働きやすい職場環境を整え、従業員一人ひとりが最大限の力を発揮できるようサポートしています。
3.取組内容
上記でも触れた社内の役割制度である「Operator」「Manager」「Specialist」「Executive」は、役職とは異なるものです。この制度は働き方に直接関係し、社内の人事評価に基づいて割り当てられます。これらの役割は全従業員に公開されており、給与基準もこの役割に基づいて算出されます。通常の業務を遂行できる従業員は皆「Operator」としてスタートしますが、業務のマネジメントを得意とする者には「Manager」という役割が与えられます。また、当社にはIT関連の部署もあり、マネジメントよりも技術職に適性のある従業員には「Specialist」の役割が割り当てられます。さらに、案件の管理や企画までを担える従業員には「Executive」という役割が与えられます。
これらの人事評価は、上長の感覚や主観で決めるのではなく、50項目に及ぶ設問への本人の回答を基に、上長が検討して決定します。これにより、役職に関係なく自分にとって働きやすい職場環境を実現しています。また、「Manager」や「Specialist」の従業員が妊娠や子育てをする場合、その期間中は「Operator」として働くことが可能です。その間も役職の異動は必要ありません。
さらに、当社では時短勤務も可能です。育児中の従業員や非正規雇用の従業員が時短勤務を希望する場合は、本人との面談や人事評価制度に基づいて柔軟に対応しています。通常の勤務時間は午前9時から午後6時ですが、面談を経て、午前9時から午後3時や午後4時までの時短勤務が選択できます。
子どもが熱を出したり病気になったりした場合、学校行事や家族イベントがある場合には、休暇や時短勤務にも対応しています。その際、育児をしていない従業員が代わりに業務を担当することになりますが、代表取締役や上長が代理で業務を果たしている従業員に声掛けや、密な面談を行うなどしてフォローアップを徹底しています。このように、従業員全体が支え合える職場環境を作ることを目指しています。
4.これまでの効果と、今後の課題
当社の代表取締役は、かつて他企業で従業員として働きながら子育てをしていた経験があります。その際、出産のための休暇を取得した後に職場復帰が難しくなり、キャリアを断念せざるを得なかったという苦い体験を持っています。当時は、育児をする従業員がキャリアを諦め、仕事から遠ざかることを余儀なくされる状況が見られることがありました。こうした背景を踏まえ、代表取締役は「自分の会社では同じ経験を従業員にさせたくない」という強い想いを抱き、現在の企業運営に取り組んでいます。
この想いを形にするため、当社では育児中の従業員を含む全従業員との面談を定期的に実施しています。この面談は、働き方やキャリアの希望を理解し、各個人のニーズに応じた最適な環境を提供するための大切な場となっています。例えば、育児や家族のケアが必要な従業員には時短勤務やフレキシブルなスケジュールが可能な役割を提案し、さらに独身の従業員や育児が一段落した従業員がフォローできるよう業務を調整しています。
当社では「育児は全社的なサポートが必要な大切な役割である」という認識を全従業員に浸透させる努力をしています。育児中の従業員が休暇を取ったり時短勤務を利用したりする場合、その分の業務をフォローする独身や育児を終えた従業員にも「育児の重要性」を理解してもらう取り組みを行っています。これには、社内研修や定期的なミーティングで育児とキャリアの両立に関する情報を共有する機会を設けることも含まれます。また、育児中の従業員にも、日々のサポートを行ってくれる他の従業員に感謝の気持ちを伝えることを推奨し、職場全体の協力体制を強化しています。
さらに、当社ではパート社員を含む全従業員と上長が年に2回面談を実施しています。この面談では、働き方の希望やキャリアの方向性について情報交換が行われ、従業員一人ひとりが自分に合った働き方を選択できるよう支援しています。また、当社独自の役割制度(Operator、Manager、Specialist、Executive)に関係する人事評価基準は全従業員に公開されており、それぞれの希望やスキルに応じて柔軟に配属や役割を調整できる仕組みを整えています。この透明性の高い制度により、従業員が自発的にキャリアの目標を設定し、仕事への意欲を高められる環境を提供しています。
育児と仕事の両立を経験した代表取締役や部長は、従業員から直接相談を受けることもあります。特に、初めての育児や職場復帰に不安を抱える従業員に対して、個別のサポートやアドバイスを行い、安心して働ける環境を築いています。また、当社は多様な事業を展開しているため、従業員の希望や生活状況に応じて事業や業務を適切に割り振ることが可能です。こうした配慮により、従業員一人ひとりが自身のキャリア育成に専念できる体制を整えています。
当社では、育児中の従業員と独身社員、または子育てが一段落したスタッフとのバランスを保つことを最優先事項としています。この取り組みにより、すべての従業員が自分の役割に誇りを持ち、キャリア育成においても高いモチベーションを維持できると確信しています。育児支援と職場環境の改善を通じて、全従業員が長期的なキャリアを築き、仕事と家庭の両立を実現することを今後も引き続き目指してまいります。