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事例7:株式会社ミノファーゲン製薬

出産した女性社員のほぼ全員が復職するとともに、男性社員の育児休業取得を推進!

令和二年度取材

1.企業概要

設立:1938年
所在地:東京都新宿区西新宿3-2-11新宿三井ビルディング二号館
従業員数:156名
事業内容:医薬品製造販売業

2.取組の背景

 当社では、株式会社に改組する前(合資会社であった頃)から、「産休後、女性社員が復職する」ことは当然のことであったと聞いています。先代社長自身に、「働く社員に優しい会社」でありたいとの想いが強く、今日に至るまで、誰もが長く働き続けられる職場をつくろうと取り組んできました。
 座間市に工場を移設した頃に当時の女性社員たちから育児休業の導入を求める声が上がったのを契機に、初めて「育児休業制度」を制定したという経緯があります。2002年4月には、法改正に伴い「時短勤務を子供が3歳になるまで有給とする制度」を導入し、多くの社員が利用するようになりました。なお、営業部門は男性が多いのですが、工場および本社は、比較的女性の比率が高い傾向にあります。男性社員と女性社員の人数は、2対1の割合となります。

3.取組内容

 国の施策に則り「育休復帰支援プラン」を2016年に導入し、社員が安心して育休を取得するとともに、育休期間中も孤立することなく、円滑に復職できる仕組みづくりを狙って、会社としての取り組みをスタートさせました。これ以前も、工場など女性社員が多く在籍していた部門などでは、復職した先輩社員が相談にのる等の非公式なサポートが行われていた下地があったことに加え、前述の「子どもが3歳になるまでは有給で時短勤務可能」という、当時としては先進的な制度が整っていたことが奏功し、復職がスムーズに行われていたと思います。この制度は、育休後、2時間までの時短勤務を可能とし、時短分も有給扱いになるため、多くの女性社員が活用しています。他社では時短勤務は認められてもその分の給与は減額されることが多いかと思いますが、当社ではフルタイムと同等の給与が支給されます。通常は、9時~17時半の勤務が基本ですが、出社や退社の時刻が調整でき、全体として2時間までの時短勤務が可能なため、保育園への送り迎えがスムーズになる等利用者からは好評を得ています。
 育休取得予定者には、個別に策定したプランに従って、産休・育休に入るまでに2回、復職する前及び復職後には、上司または人事部との面談を実施しています。育休中は人事部から定期的にメールを送り、育休期間中も社員が会社との繋がりを実感できるようにしています。
 部署内で産休・育休による休業者が出た場合は、その部署の上長と人事が話し合い、期間限定で派遣社員の方を受け入れる他、社内で異動や応援体制を組むなど、状況に応じてさまざまなパターンで対応しています。このような取り組みもあって、当社では、育休による混乱やトラブルは、あまり聞きません。会社としても、育休を取る社員がいつ頃の復職を望んでいるかを聞いて、柔軟に対応するようにしています。

育児復帰支援フロー

4.これまでの効果と今後の課題

①これまでの効果
 2015年4月からの6年間において、復職しないで退職した女性社員は1人のみでした。この方は営業職で、1人目出産後は復職しましたが、2人目出産時は育児と仕事の両立は難しいと本人から申し出があり、残念ながら退職に至りました。しかし、その他の社員はすべて現場に復職しています。特に復職までのプログラムは用意していませんが、復職が当たり前になっている当社は、復職した社員に対する周囲の理解やフォローを得やすい環境にあるものと自負しています。
 産休や育休というと、どうしても女性社員中心という印象がまだ強いと思われます。当社では、会社側から男性社員にも利用してほしいと積極的に働きかけています。東京都の事業に参加して、不妊治療と仕事の両立のための制度を導入する際、全社員に向けた説明会を開く機会がありましたので、それに合わせて、男性社員にもぜひ育休を取ってもらいたいことを伝えました。その際、3人目のお子さんが生まれる予定の研究所部長職の男性社員(40代)が、5日間ではありますが、当社の男性社員として初めて育休を取ることが決まっていたので、その場でその方の事例をご紹介しました。これをきっかけに、その後、1年の間に、工場勤務の男性社員(30代)が育休を年次有給休暇と合わせて1ヵ月近く取りました。さらに、最近でも、研究所の男性社員(30代)が、年次有給休暇を含めず1ヵ月の育休を取得しています。
 これらの事例では、本人たちからは部署の同僚に迷惑をかけたくないとの声もあったのですが、会社として男性社員が育休を取ることの意義やメリットを伝え、「ぜひ手本となってほしい」と背中を押したいきさつがあります。第一号が部長職の男性社員であったことで若手社員も取りやすい雰囲気となり、良い意味で波及効果があったと感じています。実際利用した男性社員からも「休みを取れて良かった」と好評でした。
 社会全体をみても、育児と仕事の両立を図ろうとする女性が増え、出産後の女性の負担が大きくなっています。私たちは、一企業として、男性社員に育休を積極的に利用してもらうことで、パートナーである女性の負担軽減に少しでも繋がることになればと願っています。そして、世の中の働く女性たちが自らの夢に向かってしっかりキャリアを積んでいける環境づくりを支援していきたいと考えています。

②今後の課題
 お子さんが生まれる営業職で部長職の男性社員(40代)がいたのですが、こちらは残念ながら育休を取ってもらえませんでした。研究所や工場と違い、営業職はお客様との窓口も担っているため難しいという側面は確かにあります。会社としては短期間でも育休を取得できる環境づくり、言いやすい雰囲気づくりが必要ではないかと感じています。今後はこれまでの男性社員の育休取得について、実際に取得した社員のケースを事例としてまとめ、社内で共有したいと考えています。社内掲示板や説明会などで紹介し、全社に周知していく予定です。

 女性社員の場合は、妊娠時に本人から申し出がありますので、人事としても把握しやすいのですが、男性社員の場合は出産についての事前情報がなかなかわかりません。現状では、男性社員の場合、人づてに聞いてから人事部が仲介するという形になっていることも、改善の余地があると考えています。また、近いうちに非正規のスタッフが産休・育休を取る予定がありますので、こちらについても、正社員同様に、面談やメール送付なども実行していくつもりです。
 現場の声を吸い上げる手立てとしては、社内の従業員代表(当社に労働組合はない)から話を聞くなどして、社員の意向や要望を吸い上げ、協議して改善に役立てています。また、前述した先代社長の「働く社員に優しい会社をつくっていきたい」「安心して長く勤めてもらいたい」との熱い想いを現社長も引き継いでこれを更に育てようとしています。昨年3月にコロナ禍の中で学校の休校要請が突然なされた時も、即座にお子さんが学校に通っている社員には、臨時に特別有給休暇対応を認める旨社内アナウンスし、会社としても支援することが出来ました。個々の社員が仕事と家庭の両立を図れる職場に一歩近づけたのではないかと思っています。
 今後は、不妊治療の支援についてもより社員が利用しやすいように工夫しながら進めていきたいと考えています。

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