STEP 3 対応する
社員から相談があったとき
社員から家族の介護について相談があったときには、まずは社員の話をよく聞いて、家族の状態や社員自身の心身の状況を把握し、仕事を続けながら介護ができないか相談にのることが重要です。
仕事と介護は両立できる
仕事と介護の両立のために、会社が社員に対してすべき一番のアドバイスは、「今までどおり仕事を続けながらでも、介護との両立は可能」であること、そして「親の介護に専念するための休職や離職をしないで両立しよう」ということを伝えることです。社員から家族の介護について相談があったら、まずは介護を必要とする家族の居住地の地域包括支援センターに相談に行くようにすすめましょう。そのうえで、必要に応じて介護休業、介護休暇などをはじめとする会社の両立支援制度の利用について話し合っていくとよいでしょう。
制度利用手続き方法の周知
社員から介護休業や介護休暇、短時間勤務等の申し出があった場合、会社所定のルールに沿って手続きをするように指示することが必要となります。特に介護休業については、育児・介護休業法の定めに従って事前の申し出が必要になるなど細かい規定がありますので、人事担当者は事前に確認しておきましょう。(各制度の詳細は〔制度・基礎知識/制度説明〕を参照)
社員からは言い出しにくい
社員が家族の介護に直面したときに、会社に相談するケースは少ないと言われています。育児と違い、いつまで続くかわからない、相談すると会社に迷惑がかかる、昇進が遅れる、といった不安感や、社員自身40歳代後半〜50歳代の管理職で相談できる上司がいない、といった事情などから、相談したくてもできないのがその原因ではないかと推測されます。また、育児休業制度と比較すると、介護休業制度は一般に認知度が低く、家族を介護するためには会社を辞めなければならないのではないか、と思い込んでいるケースも考えられます。このため、社内で家族の介護に対する不安を抱えている社員を把握することが第一に必要になります。
専門は産業・労働社会学、労働政策、人的資源管理。介護と仕事の両立に関する論文や著書を多数発表。
主著『介護離職の構造――育児・介護休業法と両立支援ニーズ』(労働政策研究・研修機構、2023年)は労働研究の最高殊勲である労働関係図書優秀賞を受賞。厚生労働省の研究会委員や国会の参考人意見陳述を通じて育児・介護休業法の改正にも関わっている。


